中日スポーツ 2013年10月14日(月)掲載



藤本日本歴代3位タイ
24アンダー 歓喜!今季初V

 バーディーラッシュを締めくくるのにふさわしいフィニッシュだった。優勝を決定付けて臨んだ最終18番。非地元はピン奥からのバーディーパットをきっちり沈め、両手を突き上げる。「やっと終わったかなという感じ。喜びはすごくある」。平常心を貫き続けた4日間、最後は歓喜を全身から解き放った。
 ヤマ場は9番パー5だった。ティーショットが左に曲がり、フェアウエーを大きく外れ崖下に。もともとフェードボール(右曲がり)ヒッターだけに、動揺してもおかしくない場面。だが、ツアーが中休みになる7月にスイングを改良し「左方向へのミスがOKになった。9番もフェードで狙っていたらイラッとしていたが、ストレートだったのでOK」と冷静にパーセーブ。イーグルを奪った小田に1打差に詰められはしたものの、バックナインでも冷静にスコアを伸ばし突き放した。
 ルーキーだった昨季、国内メジャーのツアー選手権をいきなり制した逸材。だが今季前半は勢いを欠いた。「1勝してどこかに気持ちの余裕があった」と振り返る。その間に台頭したのは東北福祉大の後輩、松山英樹だった。「誰かが活躍したから刺激というのはないが、藤田さんや松山でもこんなに練習しているのかと思うと、練習しないとと思った」。プロ、そして先輩としての意地、対抗意識が藤本を突き動かした。
 次週はメジャーの日本オープン(茨城GC)が控える。「勝った時の勢いは絶対有利1勝だけではなく、2勝、3勝しないと日本を背負う選手になれないし、なりたいと思う」。オレだって日本を背負う選手だ―。それを証明するために、手応えを胸に連続優勝をつかみに行く。(川村庸介)  

1年4ヵ月ぶり2勝目

 記録的なハイスコアで1年4ヵ月ぶりの通算2勝目を飾った。単独首位で最終日を迎えた藤本佳則(23)が7バーディー、2ボギーの67で回り、通算24アンダーで小田孔明(35)らを振り切り今季初優勝。24アンダーは日本ゴルフツアー機構(JGTO)に記録が残る1985年以降では歴代3位タイだった。小田は4打差の2位で、塚田陽亮(28)=KUIPO=が19アンダーで3位タイに入った。

藤本佳則(ふじもと・よしのり) 1989(平成元)年10月25日生まれの23歳。奈良県出身。165センチ、70キロ 得意なクラブはサンドウェッジ。宮城・東北高時代に全国高校ゴルフ選手権優勝。東北福祉大ではキャプテンを務め、2009年の日本オープンでベストアマを獲得。11年12月にプロ宣言し、12年にツアーデビュー、同年のツアー選手権で初優勝。

小田孔明(20アンダー2位)「最後のバーディーパットは意地。単独で2位に入れば賞金が違ってくるから。あのバーディーパットは次につながる。いいパットだった。藤本は2日間、ずっといいゴルフをしてた」

塚田即席コンビで3位
「もうちょっといっしょにやろうかな」

 自身初の最終日最終組をバーディーで締めた。通算19アンダーで3位。塚田はホールアウト後、キャディーのアリさんと抱き合って喜んだ。
 「上出来です。勉強になると思って回ったけど、全然。自分のことだけでいっぱいいっぱいでした。最後のバーディーパットがよかった。あれは大きい」と塚田はしみじみと話した。
 支えになったのは即席コンビを組んだシンガポール人キャディーのアリさん。緊張して、守りに入ろうとする塚田に対して「何を考えてる。ここは攻めろ」と叱咤(しった)し、ある時は冗談を言って笑わせてくれた。
 アジアツアーで知り合ったアリさんとは大会前に会場で再会し、大会限定で契約した。結果は自己最高の3位。賞金ランキングも49位にジャンプアップし、初のシード獲得も見えてきた。
 「これも縁。もうちょっといっしょにやろうかな。自分の力だけじゃ3位には入れなかった。キャディーのおかげだし、応援のおかげ」。長野県出身で、名商大が母校。大きな声援を支えに、ホープが輝いた。(青山卓司)

川村5位

 8バーディー、1ダブルボギーの66で回った川村は通算18アンダーの5位フィニッシュ。惜しまれるのは15番パー3。ティーショットでグリーンに乗せられずアプローチもピンの上につけ、そこから3パット。「アプローチがすべて。この4日間、アプローチがまったくだめ。アマチュアでもしない失敗をしてる」と、川村はホールアウト後、そう言って苦笑い。救いはショットが相変わらず安定していること。パットの感覚も悪くないという。「切り替えて日本オープンでがんばりたい」と、前を向いた。