中部経済新聞 2015年3月25日(水)掲載



ハード・ソフト両面で集客力高める

 携帯電話販売や不動産、リゾートなどの事業を手掛けるトーシン。主力事業の携帯電話販売では、愛知を中心に岐阜、三重、静岡、長野、東京に販売店を展開。au40店舗、ソフトバンク47店舗、全キャリアを取り扱うケータイマーケット1店舗の計88店舗を運営している。携帯電話を取り巻く環境は日々変化しており、販売店も柔軟な対応が求められている。携帯電話販売の現状や課題、事業の多角化などについて、石田信文社長に聞いた。

大型店やカフェ形式 広い駐車場付き店舗へ改装

販売店の競争は激しくなっている。

 「スマートフォンなどの携帯端末の普及が進み、近年はハードとソフトの両面で集客力の高い店が生き残るようになってきた。ハード面では、大型店やカフェ形式の店が求められている。10〜15台分の広い駐車場も必要だ。現在、順番に店舗の改装を進めている。auショップは7割程度まで改装が終わった。大規模な改装を一度にできるわけではないが、やらないと他店に勝てない。確実に進めていく」
 「サービスの面では、従業員に求められる営業のスキルが上がっている。ほとんどすべての人が携帯電話を持つ時代になり、端末を販売するだけでは収益を得られなくなってきた。Wi-Fiルーターなどの付属品や光回線をセットにしたサービスなど、プラスアルファの商品を提案する営業力が必要だ。販売員ではなく、営業マンとしての役割が求められている」

プラスアルファの商品提案力重要

人材教育が重要になる。

 「通信サービス業界は変化が非常に激しい。まずは最新の商品知識を身に付けることが必須だ。そのために、月に2回の勉強会を実施している。従業員はインターネットで販売員向けのテストを受けたり、予習や復習をしたりと、努力している」
 「それでも、販売の現場は厳しい。販売実績が伸びなかったり、お客さまに厳しいことを言われたりすることもある。心が折れて退職してしまうことを防ぐため、従業員の心のケアも重要だ。外部の専門講師に入社前から研修を担当してもらい、個人を見守る態勢をとっている。社員研修を実施してもらうほか、配属後も定期的に一人一人とカウンセリングをお願いしている。効果も表れており、従業員の悩みに気付き、すぐにフォローできるようになってきた。販売店では人の力がすべて。営業力とやる気を向上させる仕組みが必要だ」

不動産事業にも力を入れている。

 「売却などにより所有物件の整理にめどがついた。今4月期からは攻めの姿勢で事業展開している。3〜4年で100億円を投資する計画だ。自社で運営するマンションは、高級賃貸が多い。ガスを使用できたり、床暖房やミストサウナを備えていたり、ペットを飼うことができたりと、プラスアルファが魅力。賃料が高くても、他の物件にないものを求める人に好評だ。他と差別化したマンションを今後も提供していく」
 「4月には、栄地区の本社ビルの建て替えにも着工する。11階建ての新本社ビルは、来年6月に完成予定だ。1〜6階はテナントとなる予定だが、1、2階はすでに企業の入居がほぼ決まっている。7階はイベントホールと貸会議室を設置し、入居企業や地域の企業に広く活用してもらう、栄では他にも貸ビルの新築を計画している。地域の活性化に貢献したい」