中部経済新聞 2016年4月28日(木)掲載



新たな顧客層の拡大に注力

 携帯電話販売や不動産、リゾートなどの事業を手掛けるトーシン。主力事業の携帯電話販売では、愛知を中心に岐阜、三重、静岡、長野、東京に販売店を展開。au38店舗、ソフトバンク43店舗、全キャリアを取り扱うケータイマーケット1店舗の計82店舗を運営している。携帯電話販売は料金体系やサービスの差別化が難しくコモディティ化が進み顧客獲得をめぐる競争は激化している。携帯電話販売の現状や課題、事業の多角化などについて石田信文社長に聞いた。

■利益率重視した体制

販売店の競争は激しくなっている。

 「米アップル社のスマートフォン(スマホ)の『iPhone(アイフォーン)』人気がひと段落し、スマホの普及率も60%以上と高止まりしている。携帯電話販売店にとって、客層をどれだけ広げられるかが生き残るための鍵となるだろう。当社も従業員の接客技術を向上させ、若年層だけでなく、主婦層など新たな顧客層開拓に力を入れたい。」

SIMフリーの携帯端末に格安な通信サービスを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)のSIMカードを差し込んで使う方法も浸透しつつある。

 「4月から、運営する『ケータイマーケットイオン千種』(名古屋市千種区)でSIMカードの取り扱いを本格的に始める。U-MOBILEやUQモバイルなどのSIMカードを販売する予定。まだ手探り状態だが、販売店でのSIMカードの取り扱いは今後も増やしていきたい。」

■新本社ビル完成

不動産事業にも力を入れている。

 「6月には、名古屋市中区栄3丁目の新本社ビル『TOSHIN SAKAEビル』が完成する。地上11階建てで、1〜6階は、テナントビルとして運営する。大津通沿いの新築ビルは少なく、たくさんの入居を希望する声をいただいている。2015年11月に完成した『TOSHIN HONMACHIビルと合わせて、不動産収入も伸ばしていきたい」  「所有する土地の開発も進める。30億〜40億円を投資し、高級マンションなどの建設を考えている。ゆくゆくは不動産事業の利益を現在の約2倍にあたる2億〜3億にしたい。」

■ゴルフ場買収も

ゴルフ場運営などのリゾート事業やその他の事業の展望は。

 「岐阜や三重で3つのゴルフ場を運営している。今後も、良い物件があれば新たなゴルフ場の買収も考えたい。また、15年11月、名古屋市中区栄にゴルフショップと屋内練習場を併設した『ゴルフリークス』をオープンした。シュミレーションゴルフを体験できるVIPルームなど最新の設備を備えており滑り出しは好調だ。運営するゴルフ場と合わせて利用してもらうなど相乗効果をねらった。」  「自社で企画・開発している軟水『うるり』の新商品の開発にも力をいれている。現在、うるりを使った炭酸水の商品化を進めており、年間2億〜3億円程度の売り上げを目指している」  「今後、少子高齢化などの影響で携帯電話の販売市場は縮小していくと思う。携帯電話販売事業以外の事業にも積極的に投資し、安定した収益構造を構築したい」