サンケイスポーツ 2010年6月28日(月)掲載
杉並学院の先輩後輩…熱き抱擁
遼もウルウル 先輩!やりましたね


薗田初V(歴代最速タイツアー5戦目)
「涙とまんねーじゃん」

ミズノOP 男子ゴルフ<最終日>

27日午前8時スタート>曇り、気温26.4度、風速3メートル>コース=兵庫・よみうりCC(7230ヤード、パー72)>参加62人(うちアマ2人)>賞金総額9750万円(優勝1950万円)※第3日中止により、54ホールになったため賞金総額1億300万円(優勝2600万円)は75%に減額>観衆=5278人

◆薗田 峻輔

アラカルト
★生まれ 1989(平成元)年9月26日、東京都生まれ、20歳。1メートル77、90キロ
★ゴルフ歴 父・俊信さん(58)の影響で3歳からおもちゃのクラブを振り始め、大森第4小1時にレディースティーからの初ラウンドで124をマーク。中1夏から豪州に約2年半のゴルフ留学。帰国後、杉並学院高に進み、現在明大政治経済学部経済学科3年に在学中
★名前の由来 父・俊信さんは当初「俊介」と名付けるつもりだったが、5月になくなった母方の祖父・功晃さんが知り合いの住職に姓名判断してもらい「峻輔」に
★好きなタレント 仲里依紗
父・俊信さん
来たかいあった
◆…薗田の父・俊信さん(58)はこの日午前2時、車で東京都内の自宅を出発。同8時にコースに到着し、コース脇から声援を送った。
「来たかいがありました。この優勝でプロとしてスタートが切れたと思います」。薗田が幼稚園に通っていた頃は、自分のクラブのシャフトを短くした特性クラブでゴルフを教えていた。「小学校の低学年の頃からプロゴルファーになると決めていたみたいです」と昔を思いだした父は、愛息の初Vをまぶしそうに見つめていた。

データBOX
◎…明大在学中でツアー5試合目の薗田が初優勝。1999年のJGTO(日本ゴルフツアー機構)発足後、2005年「三菱ダイヤモンドカップ」のI・J・ジャンと並ぶ歴代1位タイのスピードVを達成。98以前では79年に重信秀人がデビュー戦の中四国オープン」で優勝。98年「デサントクラシック」では4試合目のD・チャンドが勝っている。
◎…薗田の20歳9ヶ月1日での優勝は記録の残る85年以降、プロでは年少3番目。1位は08年「マイナビABC選手権」の石川遼の17歳1ヶ月16日、2位は07年「ミズノオープンよみうりクラシック」のドンファン(韓国)の20歳2ヶ月15日。


全英OP出場ゲット!!世界で競闘だ
20歳9ヶ月1日

遼、やったよ!首位から出た現役大学生プロ、薗田峻輔(20)が、1イーグル、5バディー、1ボギーの66で回り、通算15アンダーで、歴代最速タイのツアー5戦目で初優勝を飾った。ラウンド後は母校・杉並学院高の後輩、石川遼(18)=パナソニック=と涙の対面。全英オープン(7月15日開幕、セントアンドルーズ)の出場権も獲得した。


男子ゴルフミズノオープン

大歓声に包まれスコア提出場への通路。視線の先に石川がいた。歓喜の抱擁…。
「(涙が)止まんねーじゃん…」
薗田が、自慢の後輩の前で、頂点をつかみ取った。
「まさか5試合目で優勝できるなんて思ってもいなかったし、想像もしていなかった。やっちまった症候群です」

最終日66見事逃げ切った!!

5戦目で初の単独首位スタート。序盤で勢いに乗る。1番でバーディーを奪い、2番パー5。ピンまで残り225ヤードの2打目を3Iでピン奥3メートルにつけてイーグルだ。途中3組前の谷口徹に1打差に迫られたが「強気に攻めた」という13番のバーディーをきっかけに再び勢いに乗った。終盤6ホールを4バーディー、1ボギー。17番を終えて2位に2打差とされたが、一度も首位を渡さず20歳9ヶ月1日でV。記録が残る1985年以降では3位の年少記録だ。
先輩の晴れ姿に石川は「ジュニアの試合で圧倒していた雰囲気。本当に強かった」と涙目で先輩の健闘をたたえた。全英に揃って出場する事も決まり「夢みたいです」と胸を躍らせた。
「スクスクと成績を伸ばして賞金王にもなって…」。自ら選んだ学生プロゴルファーの道。だが弟分の姿に心は揺れた。昨年12月、明大での学業との両立を目指してプロに転向。石川が高校に入学したのが高3の07年。衝撃デビューはその5月だった。当時の感想は「あいつができるなら俺もできるな」。だが現実は2戦連続予選落ち…。
4戦目のツアー選手権直前の5月、祖父・功晃(かつあき)さんが死去(享年85)。自らのキャップを棺に入れ、奮起を誓った。「初心に帰ろう。まずは予選通過だ」。その次戦、ツアー初Vを射止め、同時に聖地の扉も開けた。
3日目は雨で中止となり、1日短縮された日程でV。薗田はどうなんですかね。あと1日あったら…」と話したが「でもきっちり最終日をプレーできたんで」と手応えはある。確かな自信を大きな体にたくわえ、世界へと羽ばたく。(恵濃 大輔)